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モデル圏上のホモトピー論


 PDF |Left homotopyRight homotopyHomotopy

 Model catgeoryは大雑把に言ってhomotopy論が展開できるcategoryである。

 MC1により、limitとcolimitの存在が保障されているという事はモデル圏上でpush out、pull backひいては直和や直積を考えられるという事である。先のinicial objectとterminal objectを勘案すれば、A,Bの直和、A+Bとは、A ←φ→Bの図式のpush outであり、直積、A×Bとは、A→*←Bの図式のpull backに他ならない事は、位相空間の例を考えれば想像がつく。

 もともと位相空間上のhomotopicという同値関係は、f,g : A → Xに対し、

      

の写像がA×I上に拡張を持つ事である。この概念をmodel圏上まで引っ張ったのがleft homotopyという考えであり、A×Iに対応するものをcylinder objectと呼ぶ。
 双対的にright homotopyとpath objectというものも考えられる。この考えは位相空間でのhomotopicとは一見無縁に思えるが、随伴などをよく考えてみると同じことを言っているのがわかる。
 homotopy論を展開する上でfibrantやcofibrant objectが重要な位置を占めているのもわかる。Vogtは位相空間におけるHELP(homotopy extension lifting property) lemmaを一般のmodel categoryでも考えている【Vog10】

 位相空間のホモトピー論を色々と探った上でこういう話を聞くと大いに納得してしまう。詳しくは【DS95】の論文か、arXivにあるGerss Schemmerhornの【GS06】なんかを見ると面白い。